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2020年9月24日
山陽堂書店メールマガジン【2020年9月24日配信】
山陽堂書店ではメールマガジン配信しています。
配信をご希望される方は件名に「配信希望」と明記のうえ、
sanyodo1891@gmail.com(担当 マンノウ)までご連絡ください。

山陽堂書店メールマガジン【2020年9月24日配信】


みなさん

こんにちは。

今日紹介する本はこちら。
「モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語」内田洋子(方丈社)

2020.9.24.1.JPG

https://hojosha.co.jp/menu/591906
籠いっぱいの本を担いで、イタリアじゅうを旅した行商人たちがいただなんて。
そのおかげで各地に書店が生まれ、〈読むということ〉が広まったのだと知った。(本文より)


はじまりはヴェネツィアの古書店にて。
著者はその店の棚揃えに感嘆し、店主に修業先を尋ねたところ「代々、本の行商人でしたので」という答えが返ってきます。
店主のルーツはイタリア トスカーナ州にあるモンテレッジォという山村にあるとのこと。
その村の人たちが、かつて何世紀にも亘り本の行商を生業としてしていたことを知った著者は、
「矢も盾もたまらず」その足跡を辿りはじめます。
何度も村に出向き、村を離れた子孫たちを訪ね、
関連書籍だけでなく当時の行商人の発注書や家族写真といったものにまで目を通します。

他愛ない領収書や売り上げの一覧の隙間から、過去に伸びる根を手繰り寄せ、
何世代にも亘る、名もなき行商人たちの物語を拾い上げて紹介していかなければ......。(本文より)

描写されている、山と積まれた資料の数々。
それを読みこんでいく作業がどれほどエネルギーの要るものか。
(僕は何年もらっても読み込めない気がします...)
著者が見聞きしながら紐解かれていく行商人たちのその足跡。
生きていくために本を担いで旅に出た村人たちが、結果的に担った文化的な役割やその功績。
僕も本に携わる身として、もっと努めなければと省み、大きな励みにもなりました。
それにしても、著者である内田さんのこれほどの情熱はどこから湧いてくるのでしょうか。
読み進めながらその点にも気が向いていました。
本の「はじめに」にも「何かに取り憑かれたように、一生懸命に書いた。」という一文。
その動機(情熱の源泉)について書かれたわけではないのですが、本文中にあった言葉をひとつ。
1952
年に行商人や各地で書店を開いていた村人たちが集い〈本屋週間〉が開催され、
世界各地から作家や出版人も集まったそうで、参加した作家のひとりが村の本屋たちに述べた謝意の中の言葉です
「(前略)〈世の中に自分の信じるものを届けたい〉。村人にとって、それが本だった。(後略)」

内田洋子さんはいま、コロナ禍のイタリアで若者たちが綴った日々の記録『デカメロン2020を書籍化するプロジェクトを進めています。
自分たちの身に起きたこと、感じたこと。
過ぎ去ったそのときに「あのときのこと」を風化させることなく、未来に伝えていくための本です。
詳しくはこちらをご覧ください。
https://motion-gallery.net/projects/decameron2020
山陽堂書店もこのプロジェクトを応援しています。

〈マグカップ第2弾発売〉
和田誠さんデザインによる山陽堂書店のブックカバーから生まれたオリジナルマグカップ。
2弾は「キング&クイーン」です。

IMG_2865.JPG

店頭または郵送での販売も承っています。
マグカップのサイズや郵送でのご購入方法について詳しくはこちらをご覧ください。
http://sanyodo-shoten.co.jp/news/2020/09/-1.html


〈山陽堂珈琲 来週の営業日〉
10
1日(木)1319
10
2日(金)1319
10
3日(土)1117
SNS
でも営業日をお知らせしています。
twitter
@sanyodocoffee
instagram
sanyodocoffee
ご入店は閉店の30分前までにお願い致します。
状況により営業日時が変更となることもございますが予めご了承ください。
※変更の場合は当店HPにてお知らせ致します。
山陽堂書店HPhttp://sanyodo-shoten.co.jp/

今日の追伸は、「気に入りを誂える」です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた来週のメールマガジンで。

山陽堂書店
萬納 嶺


追伸

一昨年から暮らしているまちにおじさんがひとりで営んでいる服屋があり、
年に一度そこでスーツを誂えてもらうことが大きな楽しみのひとつになっている。
(意外にも、オーダーメイドの方がブランドものの既製品を買うよりよっぽどお手頃だったりする。縫製はたしか鳥取の工場だったか。)
一昨年は夏物のスーツ、昨年は秋冬物のジャケット、そして今回は来年の夏用スーツを作ることした。
希望する色(色味)や求めるシルエット、ニュアンスを、持参した写真と抽象的な言葉も交えながら伝えると、
おじさんが生地見本のなかから数種類を候補として挙げてくれる。
そこに自分が気になったいくつかを加え、並べて見比べながら、
それぞれの生地の性質や仕立てたときのイメージなどを聞かせてもらっていうるちに、
話はおじさんが最近ハマってるという低温調理器で作ったローストビーフやクリームブリュレのことに移り、
自宅で使っているこだわりのグラスの話から「日常」で飲むお酒の質の話になり、
こちらも走るという行為に対し自分が求めていることについてだったり、
おじさんが知る由もない友だちの話なんかをしながら、思い出したように生地の話に戻ったりと、スーツのまわりを行ったり来たり。
候補に挙げてもらった生地は主にイタリア製で、訊くとイタリアの生地はやはり良質とのこと。
僕が最近読んだ本の行商人たちのことが書かれた本を引き合いに出しながら、
その本で感じたイタリア人の気骨と、一般的にイメージされている国民性や他の方のエッセイなんかに書かれているイタリア人とうまく結びつかないと話すと、
「うーんそうだなぁ、良い仕事はしてくれるけど納期に間に合ってなくてもバカンスには行っちゃったりするしなぁ。そうだねぇ、イタリア人ねぇ」とおじさん。
そこからまた話は広がり、イタリアで良質な生地が生まれた背景や歴史について教えてもらったりと、気付けば2時間近くお店で過ごしてしまった。
案の定(だいたい毎回そうなのだけれど)いろいろな話を聞いているうちに、生地を決めることに気が向かず、
改めて次の週末に出直すことになった。
今度行ったときにはまず生地を、そしてそれからボタンやポケットの仕様を決めて採寸と、
ことを進めていかねばスーツがいつまでも出来上がらないのだけれど、
「誂えてもらう」ということは周辺のこれらを含めていうのだろうか。

であるならば、誂えてもらうことは何て贅沢な行為だろう。

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