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2020年7月16日
山陽堂書店メールマガジン【2020年7月16日配信】
山陽堂書店ではメールマガジン配信しています。
配信をご希望される方は件名に「配信希望」と明記のうえ、
sanyodo1891@gmail.com(担当 マンノウ)までご連絡ください。

山陽堂書店メールマガジン【2020年7月16日配信】

みなさま

こんにちは。
最近はもう、雨であろうが「走る」と決めた日には走るようにしています。
決して強迫観念的に走っているわけではないのですが、
走りながら考えごとをするのが好きなので、
精神衛生上の理由からも「1週間にこれくらいは走りたい」という走量があるのです。
(今日の追伸タイトルも走りながら決めました。)
走る走るとうるさいですね。すいません。
(うるさいといえば、今日は青山通りを走る車の音の合間に蝉の大きな声が聴こえます。うるさい、というより嬉しいです。)

さて。
昨年の春に手に取った一冊の本。
子どもが生まれた友人夫妻に贈ろうと家に持ち帰ってから考えました。
「彼らの家には定期的に遊びに行っているので、僕もその成長を(断片的にではあるけれど)目にすることになるよな」
じゃあ、僕が20年書くか。
そんな遊び心から、僕がこの本の作者になりました。(ずいぶんと勝手に)
「BIRTHDAY BOOK 20歳のあなたへ」イラスト 白井匠 / デザイン 小林祐司 / 編集 谷口香織(雷鳥社)
2020.7.16.1.JPG
この本は「子どもの成長を20歳まで記し、成人したときにプレゼントするメッセージブック」というのが趣旨。
書き手が気軽に臨めるよう("書くこと"に迫られることのないよう)にデザインやレイアウトが工夫され、
「1年に1回だけ誕生日に記録する」ことで完成するようになっています。
20歳になった相手(たいていは我が子ですね)にはカバーを外して、布張り箔押しの大人っぽい仕様で渡すこともできます。
2020.7.16.2.JPG
本を手にしてからこれまで、僕は3、4回ペンを取って書き進めているのですが、書いていることといったら、
子どもが生まれる前に夫妻と行ったハンバートハンバートのコンサートが楽しかったこと、
彼(お父さん)と結婚式2次会で一緒に司会をしたこと(彼はだいぶふざけた司会者でした)、
夫妻の家に遊びにいくといつも美味しいごはんがでてくることなど
彼女(娘)の成長とは何ら関係ないことも多く含まれています。
これも前触れなく書かれる「僕が日々の生活で思ったこと」などは、彼女からしたらいよいよわけがわかりません。
最近になり二語文を話すようになった彼女。
これから彼女とのコミュニケーションが変化していくことを鑑みると、
必然彼女についての記述は今後増していくように思いますし、そもそもの動機が「20年かけて遊んでみる」なので、
とりあえずいまのところはこんな調子でも許してほしいと思っています。

果たして20歳になった彼女はどのような心持ちで受け取ってくれるのか。
もしかしたら受け取ってもらうことすら叶わないかもしれません。
「ときどき遊びに来るおじさんが書いた成長の記録(とその他多くの雑文)」
書いている自分ですら「なにそれ...」ですから。
書き終えた1冊を肴に夫妻や彼女とお酒を酌み交わすことを大きな楽しみとしているのですが、
「ちょっと、気味が悪いです」なんて突き返されたら、その日はひとり荒れた酒に溺れることになるのでしょう。
どうか、夫妻にはこういうおじさんにも優しい子に育てていただきたい。そう願っています。

〈今週のおすすめ〉

今回は商談会や本のイベントでも度々顔を合わせることのある偕成社 販売部の高安麻里江さんに紹介していただきます。


「密?!」
春から新一年生になった娘。今年はコロナの影響で、新学期のスタートが遅れたので、
桜咲いたら一年生〜ではなく、紫陽花咲いたよ一年生〜てな感じのヘンな感覚。
普段から仕事でバタバタしている私は、仕事でも会社でもなんだか外でいつも走っているのだけど
今年の春は、バタバタバタ子さんになる時間も少なく、おうち時間がメインとなり、ヘンな感覚。
今まで、毎日の保育園も一番最後にお迎えの子だった娘は、明るいうちからご飯の支度をしている私を見て不思議そう。
でもヘンってなんだろう。いまはこっちの時間の使い方の方が普通になってきた。
見方を変えるとヘンも普通も紙一重。じゃあちょうどいいってどれぐらい?

コロナで三密を避ける行動を促されながらの小学校生活は、友達とのハグは禁止。
お遊戯遊びもエアータッチ、給食時間も無言で食べるのだそう。
そんな娘は、おままごとでお人形を並べながら「密だからちょっとはなれますよ~。マスクしなきゃだめよ~」と言いながら楽しそうに遊んでいた。
(そうそう、やりにくさの中でも柔軟に対応する子どもたちってやっぱりすごい
ある日、ママ友とZOOMお茶会ってのがあるらしいからやってみよう!とドキドキしながら初めてやってみた。
その横で娘とお友達がZOOM越しにオンラインおままごとをはじめていた。
おみせやさんごっことお医者さんごっこを何不自由なく成立させていた。昭和の母たちびっくり。
先生も生徒も親も通りすがりの知らない人も、マスクをして頑張る毎日ですが、
子どもたちにとっての毎日に、物理的な距離だけではない「ちょうどいい」という心の距離感や、
あったかくて楽しい「密」の感覚がちゃんと存在しますように。
だから今、この本~。
絵本作家五味太郎さんの『つくえはつくえ』(偕成社)
2020.7.16.3.JPG
https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784033328409
三密を避ける行動が叫ばれる今、この本に対して作者の五味太郎さんからこんなメッセージをいただきました。
「ちょうどいいのは ちょうどいい。でも なにに  ちょうどいいのかな?」
そういえば、在宅勤務中のFMラジオから、五味太郎さんの声が聞こえてきた。
テーマは、今だから考えてみる自分らしさ。
「休校中の子どもたち。今はチャンス。すべてのものを自分にとってどうなのか?
自分なりの自由や考えを見つけ、考えるチャンスだ」と。
大人こそ、ですね。

おまけ

娘は「在宅勤務」を「在宅KING」だと聞き間違えて、家で仕事をする私を王様だと思っていたようです。

(偕成社 販売部 高安麻里江)

ままごとの様子や付記されていた、おまけの話に思わず笑ってしまいました。

〈3階喫茶営業再開のお知らせ〉
休業しておりました3階喫茶営業ですが、今週7月17日(金)より再開致します。
座席数を4席にし、手洗いのご協力やお手拭きの提供は控えるなど、
ご不便おかけいたしますが、ご理解いただきますようどうぞよろしくお願いいたします。

【7月後半 喫茶営業日】
・7月17日(金)13〜19時
・7月18日(土)11〜17時
・7月22日(水)13〜19時
・7月25日(土)11〜17時
・7月29日(水)13〜19時
・7月30日(木)13〜19時
・7月31日(金)13〜19時
・8月1日(土)11〜17時

ご入店は閉店の30分前までにお願い致します。
状況により営業日時が変更となることもございますが予めご了承ください。
※変更の場合は当店HPにてお知らせ致します。
山陽堂書店HP:http://sanyodo-shoten.co.jp/

今週も最後までメールマガジンお読みくださりありがとうございました。

本日の追伸は、「でてきちゃった屁」です。

それではまた来週のメールマガジンで。

山陽堂書店

萬納 嶺

追伸


五味太郎さんの「ことわざ絵本」という本がある。
右のページにことわざとイラストレーションがあり、
左のページには「つまりこういうこと」と、そのことわざをあらゆる場面に例えた五味さんオリジナルのことわざが
こちらもイラストレーションと合わせて表現されている。
ことわざの例え方がおかしくて、小学生になってからも飽きることなく何度も読んでいた。
僕が昔読んでいたその本を、甥っ子に渡すとかで母が実家の本棚から持ってきた。
久しぶりに本を手にしてみて、あの時覚えたことわざのいくつかを思い出す。
思えば、ことわざのおもしろさやその意味、語感の心地良さはこの本に教えてもらった気がする。

昨年のこと。
五味太郎さんをまちでお見かけし、言葉を交わす機会があった。
(五味さんを知る方と僕は一緒に歩いていた)
噂に違わぬ格好良さと
「五味さんの本でことわざ覚えました」と、何かひとつでも本のなかのことわざを伝えようと思ってでてきたのが、
「あのあれです、『屁のないところにあぶくはたたぬ』とか、とてもおもしろかったです!」だった。
(「火のないところに煙は立たぬ」が例えられ、プールの中であぶくを出す少年が描かれている)
五味さんは優しく聞いてくれていたけれど、帰宅してから「あそこで屁がでちゃうか...」と、
人生の恥をまたひとつ増やしたことを後悔した。
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