3月5日、山陽堂はおかげさまで126周年を迎えることができました。
初代が明治21年岡山から上京し、芝・京橋での新聞売り捌き業を経て、
明治24年現在のアンデルセン辺りで本屋を始めたのですが、
なぜ「山陽堂」という名前をつけたのか語り継がれていません。
岡山出身ですので「山陽道」からつけたのかとばかり思っていたところ、
昨年新事実が判明したのです。
20年程前、「山陽書房」と書かれた古い額をみつけました。
なぜ山陽堂なのに山陽書房と書かれているのだろう、もうぼろぼろだし処分した方がいいかなと思いつつそのままにしておきました。
お恥ずかしい話ですが、当時は山陽堂の来し方など全くと言ってよいほど興味がありませんでした。
処分しなくてよかったです、後にその書は「明治の三筆」と言われる中林梧竹のものとわかりました。
昨年、創業125年のまとめをするにあたり、国会図書館デジタルコレクションの検索で「山陽堂」を調べると出版もしていたことがわかり、奥付を確認することで店がどのように青山周辺を移転したかもわかりました。
最近になって「山陽書房」では検索していなかったことに気づき調べてみると、
初代が『山陽書房』という出版社名で
『頼山陽先生唐詩帖』(1912・明治45年2月10日発行)を出版していました。
*頼山陽(1780~1832)江戸時代後期に活躍した漢学者・文人で,幕末の志士たちに多大な影響を与えた歴史書『日本外史』の著者。
初代は漢文を学んでいたと聞いていますので、
もしかしたら、「頼山陽」から店の名前をいただいたのかもしれないと思いました。
創業から126年を経て、山陽堂の名前の由来をあれこれと推測できるのも、
史料がデジタル化されインターネット上で気軽に検索できるおかげです。
WEB時代到来は、「これまでの本屋」にとっては厳しいものですが、
WEB時代だからこその本屋の在り方があるのではないかと思っています。
これからもこの青山の地で山陽堂書店を続けていきたいと願っています。
みなさまどうぞよろしくお願いいたします。
山陽堂書店
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