今日紹介するのは「兄の終い」という本です。
本書は翻訳家・エッセイストである著者が、
夜遅くに警察からの電話で兄の死を知らされるところから始まる5日間の実話です。
過去の軋轢から「あなたとは他人になります」と伝え、
関係に一線を引いてきた兄が小学生の子供を残して突然亡くなります。
両親はすでに亡くなっており、唯一残された家族である著者は、
すべてを終えるために兄の亡くなった街へ向かいました。
兄の元妻(残された息子の母)と共に「兄の必死に生きていた痕跡」を
片付けながら、著書の胸には生前の兄の姿が去来します。
著者にとって、兄の終い(兄との終い)はどのようなものだったのでしょうか。
「兄の終い」村井理子(CCCメディアハウス)
〈今週のおすすめ〉
◇「今日のガッちゃん」さく 益田ミリ / え 平澤一平(ミシマ社)1,500円+税
二コマ漫画。
主人公の猫のガッちゃんはやさしくて、とんがっている心をおだやかにしてくれます。
「そう、そうなんだよねえ、ガッちゃん。」と、ガッちゃんは猫だけど、共感してしまうのでした。
(山陽堂書店 遠山)
◇「一生食べたいカツ代流レシピ」小林カツ代・本田明子(文春新書)1,000円+税
まだ30kmを走る体力もないことを昨日思い知りました。
そんなに容易いことではありませんね。
だからこそ走っているのですが。
それではみなさん、連休明けまた次回のメールマガジンで。
山陽堂書店
萬納 嶺
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追伸
外出自粛要請で空いた時間。
積んでいた本を読み、薦めてもらった映画を鑑賞し、
フルマラソンに向けてランニングの距離を延ばしすことに費やしてきたけれど、
先週からその日々にぬか床が加わった。
大根や人参を適当な大きさに切って塩をもみこみ、
しばらく重しを載せて水を抜いてから、ぬか床に収める。
「とうとう手を出してしまったな」
そっと抜いた手のひらをみながら、予てから思っていた考えが頭をよぎる。
「ぬか漬けが好きな自分はいつか必ずぬか味噌に手を染める」
それにしても、想定より20年は早くその日は訪れた。
すでにいろんなことが起きている2020年。
個人的には「ぬか床元年」としても記憶されることになった。