「意味のない世界へ」という表現は、星野道夫には少なからぬおおきさ、重さをもつ、はっきりと選びとられた言葉だったのだ。湖に投じられた石が沈むように、このときの星野道夫の表情とことばは、わたしのなかに、たしかな感触を残した。「意味のない広がりに」にひとりで向かうこと。それが星野道夫の旅のはじまりであり、終わりまでつづく変わらぬ原点だったのではないか。―コヨーテ『星野道夫の暮らし』松家仁之氏「意味のない世界へ」より―