『今日のガッちゃん』はWEB雑誌「みんなのミシマガジン」で
連載していたものです。
ガッちゃんの絵はイラストレーターの平澤一平さん。
ミシマ社の絵本『はやくはやくっていわないで』
『ネコリンピック』等でも絵を担当してくれています。
どんな表情のガッちゃんが生まれてくるんだろう?
映画を見るみたいにワクワクする、そんな3年間でした。
原作を考える前には決まって散歩に出ました。
ドラえもんのガリバートンネルに入ったつもりで
猫のサイズで街を歩くんです。
たいやき屋さんも、自動販売機も、小学校の校庭も。
猫たちにはきっと違った世界に見えているはず。
ガッちゃんになりきって進んだいつもの道。
今年も桜が咲き、すぐそこには新緑の季節。
いつもの毎日をかけがえのないものに感じるとき、
わたしたちは傷つき悲しんでいるのです。
益田ミリ
昔、秋田の父親の実家(米屋)で飼われていた猫を思い出して
「ガッちゃん」の絵を考えました。
その猫の首輪には鈴がついていて、立派な「まゆげ」があったんです。
ガッちゃんを白猫にしたのは、招き猫みたい? と思ったからです。
ちなみに、父の実家の猫は「ハケ」という名前で、
子供たちが騒いでもおとなしく寝ていたので、
めったに鈴が鳴ることはありませんでした。
置物みたいな猫でした。
平澤一平
-ミシマ社ホームページ「刊行によせて」より-