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2013年12月 9日 更新
柴田元幸責任編集新創刊『MONKEY』スイッチ・パブリッシング1000円
『猿の仕事』
 訳者の役得で、本国での刊行より一足先にポール・オースターの新作Report from the Interior
を読ませてもらって感じるのは、自分はずいぶん漫然といきてきたなあ、ということである。
十代なかばから文学に、芸術に打ち込んできたポール少年・青年の生き方を前にすると、
本を読みまくるでもなく音楽を聴きまくるでもなく恋愛に命を賭けるではもちろんなく社会の変革を夢見るなんてこともまったくなかった自分は、一度しかない青春期をずいぶんだらしなく過ごしたなあ、と思ってしまう。ま、あんなすごい人と較べてもしょうがないのですが・・・・・・。
 今回訳した、オースターが二十歳から二十三歳くらいにかけて書いた『草稿と断片』は、
そうやってひたむきに生きていたオースター青年が残した、原石のような文章である。
人気作家となってからの見事な作品群とは違った、それこそ「荒削り」の魅力を感じていただければと思う。
 連載、といっても毎回読みきりなので毎号続けて読まなくても大丈夫なのですが、そういう緩い連載を、川上弘美さん、岸本佐知子さん、古川日出男さん、村上春樹さんにお願いする。
(中略)
送られてきた四本の第一回原稿を読んで、ああまた雑誌をはじめてよかったとつくづく思った。
(中略)
 次号は、現代文学を特集し、我々編集チームが一番読みたい書き手の作品が並ぶ予定である。乞うご期待―                                              猿
                                                                                       


―MONKEY創刊号『猿の仕事』より