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2012年10月 1日 更新
松家仁之著『火山のふもとで』新潮社1995円
大事なことは、聞き逃してしまうほど平凡な言葉で語られる――。注目の大型新人によるデビュー長篇!

「夏の家」では、先生がいちばんの早起きだった――。物語は1982年夏、10年ぶりに噴火した浅間山のふもとの山荘ではじまる。国立現代図書館設計コンペの闘いと若き建築家のひそやかな恋を、この家とこの土地に流れた幾層もの時間が包みこむ。朝日、毎日、読売、東京、共同ほか各紙文芸時評で話題沸騰! 胸の奥底を静かに深く震わせる、鮮烈なデビュー長篇。
―新潮社ホームページより―

「ひとりでいられる自由というのは、これはゆるがせにできない大切なものだね。
子どもにとっても同じことだ。本を読んでいるあいだは、ふだん属する社会や家族から離れて、
本の世界に迎えられる。だから本を読むのは、孤独であって孤独でないんだ。
子どもがそのことを自分で発見できたら、生きていくためのひとつのよりどころになるだろう。
読書というのは、いや図書館というのは、教会にも似たところがあるんじゃないかね。
ひとりで出かけていって、そのまま受けいれられる場所だと考えれば」
―「火山のふもとで」より―