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2012年4月 4日 更新
『伝説のCM作家杉山登志』-30秒に燃えつきた生涯-川村蘭太著河出書房新社1995円

1973年12月12日、

CM界の栄光の頂点で自死。

「ハッピーでないのにハッピーな世界などえがけません」

壮絶な遺書を刻みつけ、数々の資生堂のCM群、

モービル石油「のんびり行こうよ」などの傑作を遺して行った、

天才CMディレクターの生涯を追った渾身の書き下ろしノンフィクション。

 

杉山登志は、机の上の原稿用紙にしたためた遺書ともとれる短い詩句を遺していた。

リッチでないのに

リッチな世界などわかりません

ハッピーでないのに

ハッピーな世界などえがけません

「夢」がないのに

「夢」をうることなどは・・・・・・とても

嘘をついてもばれるものです

 

 人々はテレビCMの花形ディレクターが、この詩句を遺したまま自殺したことに大きな衝撃を受けた。

夢を売るはずの広告制作者が、その広告そのものを否定するかのようにして自ら命を絶ったのだ。

人々は新聞から目を上げて、思わずテレビから流れてくるCMにその視線を移したに違いない。

そして思ったはずだ。この数秒で終わってしまう消耗映像とも呼ぶべきCMに命を賭けていた男がいたことを。

「伝説のCM作家杉山登志」より抜粋

http://c-addiction.typepad.jp/blog/2012/03/伝説のcm作家-杉山登志川村蘭太を読んで.html