地方の風景の中で、一人の女の子を見つめる。雪景色もあれば、夏のカットもある。ずいぶん長い時間をかけたようだが、被写体として、確かに魅力的だ。
猛然と食べる。大きな目からボロボロ涙をあふれさせる。鼻水が垂れても気にしない。ふっと憂いの表情を見せたかと思えば、大人の肩に乗っておどける。力いっぱい、生きている。
子供たちに未来が宿るのは、決して未来を待ち望むからではない。まったく逆に、未来など思い煩うことなく生きているからだ。そこに未来がやってくる。
「未来ちゃん」とは子供の名前ではなく、作品のタイトルなのだとか。未来へ続く生命の輝きに、思わず未来ちゃん、と呼びかけてみたかのようだ。(ナナロク社、2000円)(前)