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2011年5月29日 更新
川島小鳥写真集「未来ちゃん」
子供とは、まさに未来のカタマリだ。そんな感慨がこみあげてくる。自主制作した500部の写真集が評判を呼び、新たな撮り下ろしを加えて刊行された。

 地方の風景の中で、一人の女の子を見つめる。雪景色もあれば、夏のカットもある。ずいぶん長い時間をかけたようだが、被写体として、確かに魅力的だ。

 猛然と食べる。大きな目からボロボロ涙をあふれさせる。鼻水が垂れても気にしない。ふっと憂いの表情を見せたかと思えば、大人の肩に乗っておどける。力いっぱい、生きている。

 子供たちに未来が宿るのは、決して未来を待ち望むからではない。まったく逆に、未来など思い煩うことなく生きているからだ。そこに未来がやってくる。

 「未来ちゃん」とは子供の名前ではなく、作品のタイトルなのだとか。未来へ続く生命の輝きに、思わず未来ちゃん、と呼びかけてみたかのようだ。(ナナロク社、2000円)(前)

2011年4月4日  読売新聞)
 
 
ギャラリー山陽堂、記念すべき第1回目はナナロク社主催川島小鳥写真集『未来ちゃん』出版展です。
川島小鳥さんの原画25点。ブックデザインを担当した祖父江慎さんによる本づくりのこだわりものぞけます。
こじんまりとしたギャラリーです。みなさまのお越しをお待ちしています。