安西水丸さん装画の
新潮文庫 井伏鱒二著 「山椒魚」。

老成と若さの不思議な混淆、これを貫くのは豊かな詩精神。
飄々として明るくろうろうとして暗い。
本書は初期の短編より代表作を収める短編集である。
岩屋の中に棲んでいるうちに体が大きくなり、
外へ出られなくなった山椒魚の狼狽、かなしみのさまを
ユーモラスに描く処女作『山椒魚』、
大空への旅の誘いを叙情的に描いた『屋根の上のサワン』ほか、
『朽助のいる谷間』など12編。

◇ただいま『春の安西水丸展⑧』開催中。
http://sanyodo-shoten.co.jp/gallery/schedule.html#1240