2021年2月25日
山陽堂書店メールマガジン【2021年2月25日配信】
山陽堂書店ではメールマガジン配信しています。
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山陽堂書店メールマガジン【2021年2月25日配信】
みなさま
こんにちは。
僕はあまり他の本屋さんに入るということはないのですが、所用があって行った京王線沿線のまちにあった本屋さんで手にした本がこちら。
「にょにょにょっ記」穂村弘・フジモトマサル(文春文庫)
歌人である穂村弘さんの日常、というよりも日常的に人知れず繰り広げている妄想や、
日常のなかに見つけてしまった"非日常"が語られている日記形式のエッセイ(というかエッセイ形式の日記というか)。
まちなかで耳にする人の会話、目にする看板、友人とのやり取りに何を思い、どんな妄想をしているのか。
こっそり覗かせてもらう「穂村さんの世界」に思わずニヤリとしてしまいます。
合間に収められているフジモトマサルさんのイラストレーション(ひとコマ漫画など)もシュールなおかしみがあり、
ユニークなふたりの楽しげな仕事ぶりが伝わってきます。
僕が気に入っているのは、
・4月15日 横棒
・4月16日 単位(特に気に入っている)
・4月18日 眼鏡(特に気に入っている)
・4月29日 秘密(特に気に入っている)
・7月12日 パンツ
・7月18日 スローゴッドハンド
・12月9日 肩と肘
などなど。
横棒には「おぉ」と唸り、単位や眼鏡には笑ってしまい、秘密には微笑ましいその光景を頭に浮かべました。
本書は「にょっ記」「にょにょっ記」に続くシリーズ3作目であり、そして最終巻でもあります。
もっとシリーズが続いて欲しかったのですが、共著者であるフジモトマサルさんの逝去がその理由です。
3月31日 待ち合わせ
これが穂村弘さんとフジモトマサルさんによるシリーズ、そして「にょにょにょっ記」最後の1ページです。
吉祥寺にあった男子校に通っていた日々を少しだけ思い出しました。
今日の追伸は「にょにょにょっ記」を読んでからというもの、
手帳に「にょっ記」するようになった僕の「にょっ記もど記」です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
山陽堂書店
萬納 嶺
2021年2月18日
山陽堂書店メールマガジン【2021年2月18日配信】
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山陽堂書店メールマガジン【2021年2月18日配信】
みなさま
こんにちは。
オリンピックという言葉を目や耳にしない日はありませんね。
開催の是非についても様々な意見があります。
僕の意見はというと。
「どちらでも構わないけれど、オリンピックより何より優先されるべきことはありますよね?」です。
意見というよりも、思っていることといったニュアンスですね。
オリンピックがもうオリンピックではないということを少しずつ知るにつれ、思ってしまうところもあります。
それでも、サッカーはじめスポーツのことは信じていますが。
さて、本日は書名にオリンピックのあるこちら。
「たった一人のオリンピック」山際淳司・角川書店

https://www.kadokawa.co.jp/product/322006000079/雑誌Numberの創刊号(1980年4月)に掲載された「江夏の21球」で一躍注目されるようになった、
ノンフィクションライター 山際淳司氏の作品の中から五輪にまつわるもので構成された作品集です。
ある日突拍子もなくあることを思いついてしまった23歳の大学生。
表題作「たった一人のオリンピック」は、負けが込んでいた(と本人が思っていた?)自身の人生を変えようと、
「オリンピックに出て金メダルを取ろう」という思いつきを実現するために20代のほぼすべてを賭けた津田真男というボート選手の話。
「たった一人」という言葉の意味が、読み進めていくうちにわかってきます。
なぜ津田真男はその思いつきを自らに課し、挑み続けなければならなかったのか。
誰のための、何のための挑戦で、それは報われたのか
取材を重ねた著者が引き出した本人の言葉とは。
ソフトボール、棒高跳び、バレーボール、マラソン、各種目の選手たちについて「オリンピック」がひとつのキーワードとなって書かれており、
本人とのやり取りや競技に臨むスタイルから著者が視た"その選手の姿"を、読者は著者の言葉で視ることになります。
(「その選手の姿」というよりも「その人の姿」という方が正確かもしれません。)
僕たちが目にするその姿は、オリンピックの本質がなんであったか、それを考えるきっかけになるのではないかと思います。
本書の最後にはノンフィクションライターの石戸諭氏の解説が載っています。
5段落・22ページに渡るこちらもとても読み応えがあり、
特に4段落・281ページにある
「(前略)山際にの筆は時に鮮やかすぎるがゆえに、」から続く内容にはハッとさせられるものがありました。
今日の追伸は「それは人目を忍んでやること。」です。
(木村くん、一度ロシアは置かせてください。)
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
山陽堂書店
萬納 嶺
2021年2月10日
作品紹介3「山陽堂書店 年賀状展 2021.vol.0」
「山陽堂書店 年賀状展 2021.vol.0」ではイラストレーター・デザイナーのみなさんから60点以上の年賀状が集まりました。
本日は作品紹介 3日目として22作品を紹介します
展示会期中お越しになれなかったみなさまも是非こちらで楽しんでいただければと思います。
〈年賀状展2021 作品紹介3〉
秋永悠
TAIZO
カワツナツコ
よしのり
上路ナオ子
折原カズヒロ
村尾亘
保光敏将
竹中ゆみ子
菅澤真衣子
ロシトロカ / 佐古 浩介 小夏
宇野由美子
舛田史絵
早川容子
霜田あゆ美
ナカムラユリ
竹永絵里
楠木雪野
老沼果帆子
東久世
八朔モモ
保立葉菜
「山陽堂書店 年賀状展 2021.vol.0」に参加してくださったイラストレーター・デザイナーのみなさんの年賀状作品を3回に分けて紹介致しました。
来年の年賀状展もどうぞお楽しみに。
山陽堂書店
2021年2月 9日
作品紹介2「山陽堂書店 年賀状展 2021.vol.0」
「山陽堂書店 年賀状展 2021.vol.0」ではイラストレーター・デザイナーのみなさんから60点以上の年賀状が集まりました。
作品紹介2日目の本日は20作品を紹介します
展示会期中お越しになれなかったみなさまも是非こちらで楽しんでいただければと思います。
信濃八太郎
雷鳥社 / 平野さりあ
平野さりあ
もとき理川
ナイトウカズミ
永島壮矢
タダジュン
さかたきよこ
かとまり
勝部ともみ
松鳥むう
堺直子
木村友也
Fあるん
山﨑杉夫
千秋まみこ
TOMOTA
西片拓史
石松チ明
太田真紀
あすの〈年賀状展2021 作品紹介3〉に続きます。
2021年2月 8日
作品紹介1「山陽堂書店 年賀状展 2021.vol.0」
「山陽堂書店 年賀状展 2021.vol.0」ではイラストレーター・デザイナーのみなさんから60点以上の年賀状が集まりました。
本日は作品紹介1日目として 22作品を紹介します
展示会期中お越しになれなかったみなさまも是非こちらで楽しんでいただければと思います。
第0回だった年賀状展のメインビジュアルは岡本健デザイン事務所に所属する紺野達也さんに制作していただきました。
〈年賀状展2021 作品紹介1〉
峰岸達
紺野達也
Igloo*dininng* キヌガワノリコ
二宮由希子
タラジロウ
伊野孝行
右近茜
口丸弘子
楯川友佳子
三木謙次
カヤヒロヤ / コニコ
高橋由季 / コニコ
今野マルコ
小川麻子
川合翔子
山本恵未
竹内巧
阿部理沙
もちづきみちよ
tea
柴田舞美
渡辺晶子
あすの〈年賀状展2021 作品紹介2〉に続きます。
2021年2月 4日
山陽堂書店メールマガジン【2021年2月4日配信】
山陽堂書店ではメールマガジン配信しています。
配信をご希望される方は件名に「配信希望」と明記のうえ、
山陽堂書店メールマガジン【2021年2月4日配信】
みなさまこんにちは。玄関をでて感じる空気が今日は暖かかったので。途中からはマフラーをはずし、陽気の赴くまま、富ヶ谷交差点を越えたあたりで井の頭通りから代々木公園へ自転車を向けました。
ゆっくり走らせていると、かつて青山で珈琲屋を営んでいた方に偶然お会いして、「お久しぶりです」と近況を報告しあいました。
かつてその方のお店に通われていた方がうちに来てくださっていること、共通の知人に山陽堂珈琲オリジナルブレンドを相談していることなどなど。
「お元気そうでなにより」と見送られ、今日はいつもより遅れて店に着きました。
さて、11月のメールマガジンで髪を緑色にしたことがあると書いたところ、
ご自身も緑色に染めたことがありますという方からメールをいただきました。
「青も。紫も。赤も。」いろんな色に染めたことがあるというその方からのメールには「赤毛連盟はお読みになりましたか?」とも書かれていました。
有名な作品なのかな?と思って調べたところ、これまで一度も手に取り読んだことはなかったのですが、誰もが知る人物の名前がでてきました。
「シャーロック・ホームズの冒険」〔新版〕 上・下
著 アーサー・コナン・ドイル / 訳 大久保康雄(早川書房)

名探偵シャーロック・ホームズが関わった事件の顛末が、相棒であるワトスン医師が回想する形で語られていきます。
ワトソンがホームズの探偵物語を読者に届けるための執筆者を担っている(という設定である)ことも今回初めて知りました。
「赤毛連盟」は上巻のふたつ目で語られています。
いつものように、奇怪な相談や事件が持ち込まれることを待ちわびているホームズのもとにやってきた依頼者の赤毛の男性。
シャーロックとワトスンが見せられたのは「赤毛連盟員募集ー」という新聞広告。
男性が営む質屋で雇っている店員が持ってきたというその広告には、
簡単な仕事で週に4ポンドの報酬が得られることが書かれており、数多くの赤毛の応募者のなかなから男性は選ばれ...
自身の身に起こったことを語る男性の話は取り留めなく、そこにどんな事実が隠されているのか、
聞いていても(読んでいても)まったくわからないのですが、やはり名探偵シャーロック・ホームズ。
語られる話のあるゆるところに、真相を導く糸口がいくつもあることが最後にわかります。
「きみの場合は、見るだけで、観察しないんだ。見るのと観察するのとでは、まるっきりちがう。(後略)」
あるときワトソンに言った言葉ですが、それが推理の基本なのだと思いました。
(推理に限らず、何かを求めるのには必要な行為ともいえるでしょうか)
上・下巻にはそれぞれ短編が6編ずつ収録されています。
完璧な推理はしたものの捕り物とまではいかなかった事件、
人の道理に反した男の行いを罪には問えなかった話、そして女性の知性にしてやられたホームズも。
たどり着いた真実が必ずしも幸福をもたらすものではないこと。
たとえ誰かを救うことになろうとも、違う誰かが傷ついてしまうこと。
名探偵ゆえの葛藤も垣間見たように思います。
〈郵送販売について〉
当店からご希望のお届け先へお送りすることもできます。
ご注文方法等詳しくはこちらよりご確認ください。
https://sanyodo-shoten.co.jp/news/2020/05/post-188.html
1月30日まで開催していました「山陽堂書店 年賀状展 2021.vol.0」で展示していた年賀状を、
当店HPブログで来週2月8日(月)から数日に分けて紹介致します。
60点以上の年賀状を是非お楽しみください。
ブログを更新しましたら山陽堂書店のtwitter(@sanyobook)でお知らせ致します。
追伸の予告として2018年のロシアW杯旅行記をお知らせしていたのですが、
週末見た夢にごり男くんが登場してしまったため、本号では2021年の初ごり男をお届けします。
まるで「初がつお」のような。
歳を重ねるごとにその味わいは深さを増しているように思いますが、季節ごとの味わいには大きく変化ございません。
今日の追伸は「コの字カウンター」です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
来週2月11日(木)は祝日のため、次回メールマガジン配信は2月18日の予定です。
山陽堂書店
萬納 嶺