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2020年11月18日
山陽堂書店メールマガジン【2020年11月18日配信】
山陽堂書店ではメールマガジン配信しています。
配信をご希望される方は件名に「配信希望」と明記のうえ、
sanyodo1891@gmail.com(担当 マンノウ)までご連絡ください。

山陽堂書店メールマガジン【2020年11月18日配信】

みなさま

こんにちは。
今週は山陽堂ブック倶楽部(読書会)の12月課題本を紹介します。
本に収められているのは全米から寄せられた実話の数々。
「ナショナル・ストーリー・プロジェクト Ⅰ 」ポール・オースター 編 / 柴田元幸 訳(新潮文庫)
2020.11.19.1.JPG
https://www.shinchosha.co.jp/book/245111/
「月に一度ラジオ番組に出演して物語を語っていただけませんか?」と打診されたポール・オースター。
(ポール・オースター:『ガラスの街』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』のニューヨーク3部作などで知られるアメリカの作家)
自分の仕事をこなすだけでも精一杯と、当初乗り気ではなかったものの、妻 シリのアイデアを聞いて考えが変わります。
「リスナーから物語を集めれば良いのよ」
ポール・オースターは NPR(全米公共ラジオ)のリスナーに呼びかけました。

「物語は真実でなければならず、短くないといけませんが、内容やスタイルに関しては何ら制限はありません。
私が何より惹かれるのは、世界とはこういうものだという私たちの予想をくつがえす物語であり、
私たち家族の歴史のなか、私たちの心や体、私たちの魂のなかで働いている神秘にして知りがたいさまざまな力を明かしてくれる逸話なのです。」
(編者まえがきより)

こうして全米中の市井の人たちから4000通以上の投稿が寄せられました。
ポール・オースターはそのすべてに目を通し、おもしろかったものをラジオ番組で朗読。
多岐にわたる内容に、ポール・オースターは「アメリカが物語を語るのが私には聞こえた」と語ります。
文庫版の本書は1・2巻から成り、ほろっとさせられる話や落語にありそうな滑稽な話、
人の理解を超える不思議としかいいようのない話など選りすぐりの約180話が収められています。

12月の山陽堂ブック倶楽部では、1巻のみを課題本にします。
参加者それぞれが気に入った話やその感想などを話してもらう予定です。
また、2020年を振り返り、個人的に嬉しかった出来事や日常のちょっとした出来事などを聞かせていただけたらなとも思っています。
僕はスーパーなどでの会計時に目を合わせて「ありがとうございました」と言われると、
「このレジに並んで良かったわ」と思うのですが、日々のそんな些細な「何か良いこと」でもなんでも。
ちょっとした話で心持ち良く今年のブック倶楽部を締めくくれたらと思います。
日程は決まり次第また改めてお知らせ致します。

〈郵送販売について〉
ご注文方法等詳しくはこちらよりご確認ください。
https://sanyodo-shoten.co.jp/news/2020/05/post-188.html

〈GALLERY SANYODO展示〉
現在開催中のこちらは明日19日(木)17時まで。

◇「みぬくま」展 志岐奈津子×ナイトウカズミ
志岐奈津子(ライター)とナイトウカズミ(イラストレーター)による二人展。
会場内では「みぬくま」の絵・フェルト作品を展示し、物語「みぬふりのくま」の朗読音声が流れます。
閉店後の山陽堂書店ではクマたちがこのように過ごしている?
見ずにいただけで、もしかして営業中もこうしている?
山陽堂書店の本棚を眺める楽しみがひとつ増えました。
(僕自身も文庫棚から選んで買うことがあるので。)
展示について詳しくはこちらよりご確認ください。
https://sanyodo-shoten.co.jp/gallery/schedule.html#1096

今日の追伸は「何か良いことないかなぁ」です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた来週のメールマガジンで。

山陽堂書店
萬納 嶺


追伸

月曜日に行った渋谷らくごのトリは僕の好きな瀧川鯉八師匠だった。
演目は「ぷかぷか」という新作落語。
(瀧川鯉八師匠が高座にかけるのは古典ではなく、ほぼ新作の創作落語。)
「なんか良いことないかなぁ〜 なんか良いことないかなぁ〜」と主人公が歌うように口ずさみながら歩いているところから噺は始まる。
主人公のおかしな様子を、目と耳から入れて頭の中で映像にする。
「頭に浮かべているこの画をあとで思い出したら笑っちゃいそうだな」
そんなことを考えながら思い出してしまったのが、先日の結婚式で久しぶりに会った後輩に言われた言葉。

その後輩には1年ほど前に偶然まちで会っていた。
「あのとき会った以来だよね」
「そうですね。でもその前にもまちでまんのさんのことお見かけしたことがあったんですよ。でも声かけられなくて」と言う。
「(僕が)自転車乗ってた?」
「いや、なんかおひとりで歩いてたんですけど、ちょっとニヤけてて、声かけられなかったです」
「・・・」
確かにそれは、声をかけたくない。
知り合いだと、思われたくない。
僕もその人、苦手だ。
閉口して何も返せずにいると、中山くんが「やっぱお前まずいな」とトドメを刺すように言った。

たぶん僕はそのとき何か良いことがあったか、過去にあった良いこと(おもしろいこと)を思い出していたか、
あるいはちょっとしたイタズラを思いついていた可能性が考えられる。
機嫌が良かったことはよしとしても、公共の場でひとりでいるときに緩めるべきでないものについては今後留意しなければならない。
鯉八師匠演じる「なんか良いことないかなぁ〜 」と口ずさみながら歩く人とは一線を画していたい。
あろうことか「ぷかぷか」の主人公の名が「まんたろう」だったこともあり、余計に強くそう思った。
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