#
お知らせ
TOP > お知らせ
 
2015年8月24日 更新
塚本晋也×野火 游学舎 926円+税
 今回の『野火』は太平洋戦争末期、日米の激しい地上戦となったフィリピンのレイテ島を舞台に、
極限の状況に置かれた敗残兵たを描く。
その物語のスケールの大きさに反して資金が集まらずなけなしの自費を投入して製作に踏み切った。
予算的な制約の中、監督はいかに膨らませたイメージに妥協することなく実現可能な絵に落とし込んでいったのだろう。
 南国の湿原を埋め尽くす泥だらけの日本兵、激しい機銃掃射に引きちぎられる肉体、顔面にたかる蠅。
この絵は必ずつくりあげられるという確信はどこから生れるのか。
「労力をかければできるんです。そのためには思い描いたことをあきらめない。それだけなんです」
とは、冒頭のインタビューで語った言葉だ。
若いボランティアスタッフたちが知恵を出し合い、塚本監督の脳内のイメージにいかに近づくか、
自分の経験や持てる技術の斜め上をいく力を出し切った。
「別に強く言ったり厳しく管理するわけじゃない。でも、例えば刀はいぶした銀の感じでいきたいと思えば、ちょっと銀が強すぎるとか、黒が強すぎるとか、粘り強くいつまでも言い続ける。すると、みんなどんどん良くなっていくんです」
 穏やかではあるが決して妥協しない塚本監督の脳内にジワジワと迫っていくものづくりの現場。
痺れるセッションなのである。

ー 游学舎 塚本晋也×野火 「妄想からの出発」より抜粋ー

今回の展示では、「野火」メイキングの一端が垣間見られる展示となっております。
皆様のお越しをお待ちしております。