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2013年8月13日 更新
和田誠『画廊の隅から-東日本大震災チャリティ・イラストレーション作品集-』講談社2940円
「もし可能なら、僕がハガキサイズの絵を描くからそれを販売し、被災地へ全額義援金として送りたい」
東日本大震災チャリティ・イラストレーションの販売は、和田誠さんのこのひとことからはじまった。
この本に掲載されている作品以降、いまでも現在進行形で描き続けている和田さん。

橋渡しをされているのは、HBギャラリーを運営されているイラストレーターの唐仁原教久さんだ。
表参道でギャラリーを始められてからもうすぐ30年だという。

そのギャラリーの片隅で和田さんのイラストレーションを購入できる。

和田さんは今年の2月17日、陸前高田市の『朝日のあたる家』にグランドピアノを寄贈。
「ぼく一人でこのピアノを寄贈したように聞こえたかもしれません。そんなことはないです。確かにほくは絵を描きましたが、その絵を展示したり、販売したり、売上金を管理してくれたのはHBギャラリーのみなさんです。それからピアノにまつわる協力者、講談社の新井さん、こちらの佐藤さんの存在も大事でした。そして何よりも、僕の絵を買ってくれたかたたち、ダブっているかたもいらっしゃいますが、売れた絵の数だけで言うと、五百人に近い人が協力者です。先ほども言いましたが、そのかたたちは、チャリティに協力するために絵をかってくれたんです。そういう大勢の人たちが、このピアノをお贈りしたと思ってください。」(和田誠さん「朝日のあたる家」スピーチより一部抜粋)
和田さんの思いが伝わってくる。

岩手県陸前高田にできた「朝日のあたる家」は、町の人たちの憩いと親交のための建物で、ピアノを寄贈した日がオープンだった。
毎日新聞で「日本を代表するピアニスト」と紹介された和田さんのご友人でジャズピアニストの佐山雅弘さんが、和田さんがリクエストしたアメリカの作曲家ジョージ・ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」を力強く見事に弾いた。
「演奏後、会場を見ると泣いている人が数人いた。(中略)そのくらい彼の演奏はみなさんに感動を与えたのだ。ぼくも感激した。その感激は今も余韻となって残っている。」(和田誠さんのあとがきより)

「人の気持」がいい方向に集約したとき、なんとすてきな力となっていくのだろう。
「感動する心」は次の一歩を踏み出させてくれる。

そんな、和田誠さんの「画廊の隅から」ぜひ手にとって、観て、読んでください。

*この書籍における著者・和田誠さんの印税は、東日本大震災の義援金としてチャリティいたします。
方法につきましてはこの本で紹介したような、何らかの形で直接、被災者の方に届く方法を考えてまいります。なお、本書籍の利益も合わせて義援金といたします。(奥付より)