それはそうと、ちょっとマジメな話なんだけれど、
ぼくは、ほとんどすべてのこどもの「願い」を、
とっくの昔から、よく知っています。
時代が変わろうが、どこの家のこどもだろうが、
それはみんな同じです。
おもちゃがほしいでも、おいしいものが食べたいでも、
強くなりたいでも、うんとモテたいでもないです。
「おとうさんとおかあさんが、仲よくいられますように」
なのです、断言します。
それ以外のどんな願いも、
その願いの上に積み上げるものです。
おとうさんとおかあさんが、
それを知っていたからって、
仲よくできるわけじゃないんですけどね。
それでも、知っていたほうがいいとは思うんです。
両親が、それを知っていてくれるというだけで、
だいぶん、こどもの気持ちは救われます。
仲のいい家族は、それだけですべてです。
―「ボールのようなことば。」より―