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原作・大岡昇平 監督・塚本晋也 『野火』展示 8月27日(木)『野火』ー監督と語る-
『野火』の展示が決まるまで。
『野火』公開前の夏のある日、
「チラシを置いていただけませんか?」
とひとりの男性が訪ねてきた。
すべてお断りしている旨をつたえて数枚チラシをもらった。
チラシの裏には、監督の言葉があった。
「-なぜ大地を血で汚すのか―
大岡昇平さんが小説にした、第二次世界大戦フィリピン戦線における日本軍の苦しい彷徨いを映画にしました。
50年前に市川昆さんがやはりすばらしい映画にしていますが、
本作はそのリメイクではなく、あくまで原作から感じたものを映画にしたものです。
初めて読んだのは高校生のときですが、本当の戦場にいるような恐ろしさがあり頭から離れませんでした。
30歳をすぎ本格的に映画にしようと動き始めましたが、規模も大きく中々現実的にはなりませんでした。
さらに歳月が流れ、今から10年前に、戦場に行った方々が80歳を越えたときに強い焦りの気持が起こりました。
その方々のお話だけでも聞いておかなければとインタビューを始めました。
しかしそれでも映画化は簡単には進みませんでした。
そして、今、実際に戦争の痛みを知る人がいよいよ少なくなるにつれ、また戦争をしようとする動きが起こっている気がしてなりません。
今作らなければもうこの先作るチャンスはないかもしれない。
また作るのは今しかないと思い、お金はありませんでしたが、多くの力強い協力を得て完成に至りました。
映画は一定の思想を押し付けるものではありません。感じ方は自由です。
しかし、戦争体験者の肉声を体にしみ込ませ反映させたこの映画を、
今の若い人をはじめ少しでも多くの人に見てもらい、いろいろなことを感じてもらいたいと思いました。
そして議論の場に使っていただけたら幸いです。 塚本晋也」
この文章を読み、伝わってくるものがあった。
そして、監督に山陽堂で話をしてもらえないかとお願いした。
今から40数年前の中学2年のとき、
「尊敬する人は、黒澤明監督です。」
と自己紹介する男子がいた。
私は教室の真ん中後方に座っていて、彼の姿を、斜め左後ろから見ていた。
周辺には静かな空気が漂っていた。
「おとなっぽいひとだなあ。」と思った。
フォーリーブスや郷ひろみの番組をたのしみにしているような私とはちがうなと。
この男子が、現在の塚本晋也監督だ。
『鉄男』『六月の蛇』『KOTOKO』で世界的に有名になり、NHKの朝ドラで姿を見かけては、初心を貫き続けている彼を遠くから眺めていた。
あれから40年数年、この映画『野火』が、このような形で再会のときを届けてくれた。
8月25日~29日、ギャラリー山陽堂にて
大岡昇平原作・塚本晋也監督『野火』の展示、8月27日19時から塚本監督と『野火』を語る会を開催いたします。
皆様のお越しをお待ちしております。
○展示期間 8月25日(火)~8月29日(土・17時まで)
火・水・金 11時~19時
木 11時~18時(トークイベントのため18時にて閉廊)
土 11時~17時
○〈塚本晋也監督と『野火』を語る会〉
8月27日(木)19時~20時(開場18時半)
*ギャラリーはトークイベントのため18時に閉廊いたします。
◇場所 ギャラリー山陽堂2F
◇参加費:1500円(事前のお支払い。返金はできませんのでご了承ください。)
◇トークイベントお申込方法: 店頭・下記問い合わせメール・電話・ファックス
電話:03-3401-1309
ファックス:03-3401-1358
トークイベント定員となり締め切りになりました。
沢山のお申込みありがとうございました。
沢山のお申込みありがとうございました。