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2020年11月 5日
山陽堂書店メールマガジン【2020年11月5日配信】
山陽堂書店ではメールマガジン配信しています。
配信をご希望される方は件名に「配信希望」と明記のうえ、
sanyodo1891@gmail.com(担当 マンノウ)までご連絡ください。

山陽堂書店メールマガジン【2020年11月5日配信】

みなさま

こんにちは。

「検温のため手首をお見せください」といわれ、
手をグーにして両手首をくっつけて差し出しだした、ごり男。
「なんでお縄を頂戴されにいってんだよ」
なかやん(僕の同級生)から泥棒じゃねぇんだからとツッコまれ、
「すいません、どっち出せばいいかわかんなくって」と恐縮する、ごり男。

以上、ごり男の近況報告でした。
(ごり男:萬納の大学後輩・メールマガジンに度々登場)

ゴリラのお話はさておき、本日はクマのお話を。

「みぬふりのくま」志岐奈津子
2020.11.5.1.JPG
私は見ぬふりをしてきました。
私に理解できないものは私には扱えないもの、扱えないならば、手元に引き寄せる必要はない。
だから、見なかったことにして、私の中からその存在をそっと消し去ってしまおう、子どものころからそう思ってきました。
(本文冒頭より)


長いこと見て見ぬふりをすることで保たれていた「私の心の中の安寧」。
ひとつひとつを考えてはいられない。
かつて書店でのアルバイト中に"あれ"と出会ったときにも「私」は見ぬふりをしました。

時が経ったある日のこと。
大きな交差点の一角にある交番の前で人を待っている「私」はこんな会話を耳にします。

「本の活字は森のざわめきに似てる。それを読む人間たちの感情は木の実の味がする」
「あぁ、それで」
「それで、その森を追われたクマたちは、文庫本に棲むようになった」

蘇ってきた書店でのアルバイト時代のこと。
「この近くに書店がある」と思った「私」は、
自分が立っていたモザイクタイルの壁が交差点の角に立つ書店の壁だと気づき中へ入ります。
中二階に上がり、何冊目だったか。
文庫の棚から手にした本を開いたところにくつろいだ様子のクマが
いままで見ぬふりをしてきたクマに声をかけると...
文庫本に棲むクマとは果たして?

今回の展示のために志岐奈津子さんが書き下ろしたお話の全文は会場にてご確認いただけます。
みなさまのお越しをお待ちしております。

〈GALLERY SANYODO展示〉

◇「みぬくま」展 志岐奈津子×ナイトウカズミ

minukuma.jpg
期間:2020年11月10(火)~19日(木)
時間:平日11-19時(土曜11-17時/日曜定休)※最終日は17時まで。
志岐奈津子(ライター)とナイトウカズミ(イラストレーター)による二人展。
作品の展示を行うとともに、会場に朗読音声を流します。
「みぬくま」は、書店に棲息する小さなクマたち。
いつもは文庫本に隠れている「みぬくま」たちがギャラリー山陽堂で、その姿をあらわします。
そして、もしかすると、山陽堂書店のお店のどこかにも、みぬくまが潜んでいるかもしれません。
詳しくはこちらよりご確認ください。
http://sanyodo-shoten.co.jp/gallery/schedule.html#1096


今日の追伸は「ごり男と芋焼酎のお湯割り」です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた来週のメールマガジンで。

山陽堂書店
萬納 嶺


追伸

池袋での所用を終え、呼び出したごり男と駅近くの一軒に入る。
「ごり男さぁ、金曜日の夜に俺とふたりで飲んでるって大丈夫かよ?」
席に着くなり注文より先に問うと、
「いやぁ、それそのまんまお返ししますよ」と、ごり男。
「・・・まぁそうだな。今日は寒いから芋(焼酎)のお湯割りにするわ」

今年ここまでの反省をお互いに述べながら杯を重ねていると、ごり男が決心したように言った。
「なんかこうなったら、まんのさんにはロシアの人とかと結婚して欲しいです」
こうなったらってどういうことなのだろうか?
ごり男のなかで俺は今どうなった状態なのだろうか?
言葉とか通じない方が都合良かったりするかもしれないってこと?」と返すと、
「言葉はそうですね、まんのさんにはもう必要ないかもしれないですね」と、ごり男。
何故俺は慣れ親しんできた言葉をごり男に奪われかけているのだろうか?
ごり男は俺をゴリラに寄せていこうとしているのだろうか?
ごり男の言葉が続く。
「まぁ外国人とかじゃなくても、それくらいのインパクトがないと俺たちもどうしたら良いかわかんないです」
インパクト?何故俺の人生はごり男にインパクトを求められているのだろうか?
「俺たち」とは一体誰を代表した言葉なのだろうか...

よくわからないこともほとんど訊かないくらいがちょうど良さそうな秋の夜長。
ごり男の話は芋焼酎のお湯割りによく合った。

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