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2020年10月15日
山陽堂書店メールマガジン【2020年10月15日配信】
山陽堂書店ではメールマガジン配信しています。
配信をご希望される方は件名に「配信希望」と明記のうえ、
sanyodo1891@gmail.com(担当 マンノウ)までご連絡ください。

山陽堂書店メールマガジン【2020年10月15日配信】


みなさん


こんにちは。
先週今週はやることが重なり文字をあまり追えなかったのですが、
そんな時に小峰書店(出版社)の方がお店に来て紹介してくださり、
「良いなぁ」と心落ち着かせてくれた本がこちら。
「なまえのないねこ」文 竹下文子 / 絵 町田尚子(小峰書店)
2020.10.15.1.JPG
https://www.komineshoten.co.jp/special/namaenonaineko/
2019年4月に刊行されてからいくつかの賞を受賞して話題にもなっており、
今年9月で早くも13刷のベストセラー絵本です。
主人公はなまえのない、いっぴきのねこ。
おなじまちのねこはみんなそれぞれに"名前"で呼ばれています。
「いいな。ぼくも なまえ ほしいな」
自分の名前を探し始めたねこが最後に気づいた、本当に欲しかったものとは...

僕の人生に猫はほとんど関わっていませんが、
部屋の小さなベランダにごくごく稀に猫が訪れます。
(訪れるねこはいつも違う、と思う)
窓越しに目を合わせると「ん?」みたいな表情をするので、
こっちも「はい?」と応えたまましばらく目線を外さずにいると、
たいてい向こうが「付き合ってられんわ」といった調子で出て行きます。
こちらがひとり残された気持ちになってしまっていることは、
去っていく彼らにとって知る由もないことですね。

今日の追伸は「1秒のおかげ」です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた来週のメールマガジンで。

山陽堂書店
萬納 嶺

やることがいくつもあり、「ちょっと疲れてしまいそうだな」と思ったので、
「生きていて良かったことでも思い出すか」と、店からの帰り道に自転車を漕ぎながら考えていた。
(物の言い方が大仰ですけど)
思い出したのは、少し涼しくなってきた最近の出来事。

道路を挟んだ反対側の道に、青いユニフォームを来た少年が自転車で青山方面に向かっている姿が目に入った。
一昨年までサッカーを教えていたMだと遠目でもわかったものの、
広い青山通りを挟んだ反対側まで声はかけられず、
その日は練習に向かうその姿を遠くから眺めるしかなかった。

数日後。
青山一丁目の交差点。
自転車にまたがり赤坂方面に走る車道で信号待ちをしていると、
横断歩道の赤坂御所側(交番の前)で信号待ちをしているMの姿があった。
今日も自転車に乗り、青いユニフォームを着ている。
青山一丁目の交差点は大きいので、道路の同じ側でも横断歩道と(直進する)車道には距離があり、すれ違いざまに声をかけられる距離とはいえなかった。
「今日も声はかけられないなぁ」と思いながら、青になった信号を進み始めてからもMのほうを見ていると、少しだけ左に顔を向けたMと目が合い、1秒だけ手を振り合った。

今日だって明るい朝を迎えられたのは、Mの振ってくれた手が僕の名を呼んでくれていたからである。
2020年10月 8日
山陽堂書店メールマガジン【2020年10月8日配信】
山陽堂書店ではメールマガジン配信しています。
配信をご希望される方は件名に「配信希望」と明記のうえ、
sanyodo1891@gmail.com(担当 マンノウ)までご連絡ください。

山陽堂書店メールマガジン【2020年10月8日配信】


みなさま


こんにちは。
先週10月1日のメールマガジン配信日は中秋の名月でした。
団子の追伸に「月見団子とちょうど合って、」と返信をくださった方もいて、
自転車で帰りながら何度か月を見上げていました。
(満月ではなかったらしいのですが、大きく"丸"としていました。)

さて、来週10月13日(月)からGALLERY SANYODO(山陽堂書店2階)にて
峰岸 達 個展 「画文集 芸人とコメディアンと」原画展が開催されます。
2020.10.8.1.JPG
https://www.futami.co.jp/book/index.php?isbn=9784576191966
二見書房さんから刊行された本書は、
古今のお笑い芸人を峰岸達氏がイラストレーションで、高田文夫氏が文章で紹介しています。
少年時代から笑芸を愛してきたふたりによってだからこそ形にできた一冊。
峰岸氏の手書き文字で添えられたひと言にも芸人さんへの愛を感じます。
戦前に活躍していたという名前だけは聞いたことのある芸人さんも出てきて、
現在に繋がるお笑い界の系譜を知ることもできます。
個人的には選び抜かれた31組の中に伊東四朗さんとイッセー尾形さんが入っていることが嬉しかったです。

筋金入りのお笑いファンである峰岸氏によって描かれた似顔絵原画を是非ご覧にいらしてください。
会期等詳しくはこちらから。
http://sanyodo-shoten.co.jp/gallery/schedule.html#1088
ご本人の在廊日は峰岸氏の主宰する MJイラストレーション塾HPよりご確認いただけます。
http://minegishijuku.com/?p=22758
※本を購入された方には、峰岸氏のイラストレーション(印刷)にお二人の肉筆サインの入ったカードをプレゼントいたします。(数量限定)
峰岸氏が山陽堂書店を描いた作品も店内に展示し、こちらのポストカードも販売予定です。
峰岸さん作品.jpg
みなさまのご来場をお待ち申し上げております。

◇第12回山陽堂ブック倶楽部(オンライン)
課題本:「コンビニ人間」村田沙耶香(文春文庫)
日程:10月27日(火)19時より20時30分頃まで
参加人数:8人
参加費:1,000円
申し込方法:sanyodo1891@gmail.com(担当 マンノウ)宛てに「10月山陽堂ブック倶楽部参加希望」と明記の上ご連絡ください。
詳しくは添付のチラシをご覧ください。

〈課題本紹介〉
普通とは? 正常な人間とは?
コンビニ店員としてマニュアル通りに働くことで、
自身の存在を確かめながら生きる主人公。
マニュアルにないことに対してはどうすればいいのかわからない。
そんな時は周囲と協調することでその場を凌いできたが...
 第155回 芥川賞受賞作、世界各国でベストセラー


今日の追伸は、「早すぎた落語」です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた来週のメールマガジンで。

山陽堂書店
萬納 嶺


追伸

記憶にある初めての落語は、6歳か7歳のときに祖母と母に連れられて行った大きなホールでの会だった。
(本当はその前にも1度連れて行ってもらったらしい)
最前列の真っ正面で、座布団のうえで喋りはじめた人とすごく距離が近かったということと、
にもかかわらず途中から記憶をなくし、終演後に「よく眠れた」と着物姿の祖母に語ったことを覚えている。
あのときの公演は読売ホールで行われた、いまでは人間国宝となった噺家さんの一門会だったと、あとになって母から聞いた。

「おばぁちゃんは落語が好きなんだ」と知ったことがきっかけだったので、その頃のことだったと思う。
何かの拍子に手にしたある噺家さんの落語CD-BOXのチラシを見せながら「みんなでこれをおばあちゃんにプレゼントしよう」と母に提案した。
一緒に落語に行った母と僕とで贈りたいと考えて言ったのかもしれないし、
自分では買えないことを理解したうえで、あざとく「みんなで」と言ったのかもしれない。
そのあと母とどういうやり取りがあったかは思い出せないけれど、
たしか2万円近くしたそれを母は購入してくれた。(母にとっては痛い出費だったかもしれない)

祖母に渡したCDのジャケットに描かれている噺家さんはテレビで見たことがあるような、ないような。
祖母の横で一緒に聴いてみるとあまりに早口で、聞き慣れない言葉も相まって、僕には何を喋っているのかほとんどわからなかった。
当時の僕には早すぎた立川藤志楼こと高田文夫氏の落語も、落語好きとなったいまの耳ならついていけそうな気がする。

2020年10月 1日
山陽堂書店メールマガジン【2020年10月1日配信】
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sanyodo1891@gmail.com(担当 マンノウ)までご連絡ください。

山陽堂書店メールマガジン【2020年10月1日配信】

みなさま

こんにちは。
10月1日(水)から10月10日(土)まで、
ヤッホーブルーイングさんの「#本にあうビール」企画に参加させていただきます。
(※他の参加書店さんは11日まで。)
この企画は参加書店が3種類(よなよなエール・水曜日のネコ・インドの青鬼)のビールに合う本を紹介するというもの。
3つのうち、アルコール度数が高く、インパクトある苦味とコクを備えた個性派ビール「インドの青鬼」に合わせて僕が紹介したのがこちら。
「砂の女」安部公房(新潮文庫)
2020.10.1.1.JPG
https://www.shinchosha.co.jp/book/112115/
砂丘へ昆虫採集に出かけた主人公の男性が帰りのバスを逃し、
一泊だけ世話になろうと老人に連れられて入った砂穴の中の一軒家
そこには女がひとり。
翌日、男はこの砂穴に閉じ込められたことを知る。
あらゆる手段で脱出を試みるも、穴の上から男を妨害する部落の人々、
そしてひきとめようとする女。
昼夜問わず砂の降り続けるその家で、「家を守る」ためにその使命を受け容れている女と、
ただひたすらに砂を掻くことになる男の行く末は...

男の口や体のあらゆる部位に砂がざらついている描写や、
男が精神的にも砂に埋もれていくその様子に、強烈な喉の渇きを覚えます。
「砂の女」片手に「インドの青鬼」で重たいひと口を。

期間中の山陽堂珈琲営業日(10月1・2・3・7・8・10日)には上記3種類のビールもご注文いただけます。
(各種600円での提供となります)
よなよなエールには「生きていてもいいかしら日記」北大路公子(PHP文庫)
水曜日のネコには「今日のがっちゃん」え 平澤一平 さく 益田ミリ(ミシマ社)を合わせて紹介しています。


〈今週のおすすめ本〉
『乳房』伊集院静(文春文庫)
2020.10.1.3.JPG
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167546120
とにかく〝カッコいい"のである。
主人公の男性は男の弱さも甘えもズルさも持ち合わせていながら
伊集院氏の手にかかると見事なまでに魅力的な男性に仕上がる。
「完璧な奴なんてつまんないよ」そんな気持ちにさせる短編集。
(山陽堂書店 林)


〈山陽堂珈琲 今週・来週の営業日〉
10月1日(木)13〜19時
10月2日(金)13〜19時
10月3日(土)11〜17時
10月7日(水)13〜19時
10月8日(木)13〜19時
10月9日(金)お休み
10月10日(土)11〜17時
SNSでも営業日をお知らせしています。
twitter:@sanyodocoffee
instagram:sanyodocoffee
ご入店は閉店の30分前までにお願い致します。
状況により営業日時が変更となることもございますが予めご了承ください。
※変更の場合は当店HPにてお知らせ致します。
山陽堂書店HP:http://sanyodo-shoten.co.jp/

今日の追伸は、「砂の団子」です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた来週のメールマガジンで。

山陽堂書店
萬納 嶺


追伸

8月の日曜日。
今年3月までサッカーのコーチをしていたチームが、
中止になってしまった夏合宿の代わりに浜辺のある都内の公園に遊びにいくとのことで、「来ませんか?」と連絡をいただいた。
活動休止中にチームを離れることになってしまい子どもたちに何も言わないままになってしまっていたので、
挨拶がてら午後から遊びに行かせてもらうことにした。
公園に着くと午前中アスレチックで遊んできた彼らは昼食中。
反応を期待しながら「久しぶり!」と声をかけると、「なんだ、まんのコーチじゃん」という声が挙がった。
「日本代表の選手がくるかもしれないよと伝えてたんですよ」と、コーチ。
彼らはがっかりするわ、こちらも何か申し訳ないわで、久しぶりの再会はいたたまれない状況から始まった。

昼食が済むとみんなは一斉に浜辺へと駆け出した。
膝までしか入ってはいけないという浜辺公園のルールのもと、
水遊びを楽しむ子もいれば、砂を掘って水路をつくったり、貝(とかゴミ的なサムシング)を集めたり、
いくつか遊びをローテーションしながら楽しんでいるなか、
ひたすら砂団子をつくっている子がひとりいた。
浜辺遊びが始まってしばらく経ったころ、その子が「これ」と見せてきた砂団子が、
あまりにも「丸」くて思わず「綺麗」と言葉が漏れてしまい、しばらく見惚れてしまった。
その手でつくられたことがにわかには信じられなくて、
「あーこれはすごいな、本当にすごいよこれは、美味しそうだし」と何度も感動を伝えていると、
何人か集まってきて彼らも競って砂団子をつくり始めた。
「ここの砂でつくるといいよ!」などと声をあげながら熱心に取り組み始めたと思ったら、
彼らは「はいこれ!」と、砂団子をこちらに手渡してすぐに他の遊びに移っていった。
それからもひとりだけは、浜辺での遊び時間が終わるまで、ひとつの団子を丸め続けていた。

その後、「持って帰る」とその子がビニール袋に入れていた砂団子は次の遊び場への移動中に壊れてしまったようで、
ふたつに割れたそれを見て僕は思ってしまったところがあったけれど、本人は意外と淡々としていた。

その子は忘れてしまうかもしれないけれど、団子のことは自分がずっと覚えていようと思っている。
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