みなさま
こんにちは。
いかがお過ごしでしょうか。
さて、3月末から山陽堂書店2階ギャラリー(GALLERY SANYODO)はしばらく休廊しておりましたが、
来週7月7日(火)より「安西水丸 七夕の夜⑩ 和田誠さんとの作品」を開催致します。
「安西水丸 七夕の夜⑩ 和田誠さんとの作品」
和田誠さんとの共作を中心に展示致します。
会期:7月7日(火)〜7月18日(土) 日・祝休
開廊時間:11〜17時
※期間中は土曜日も営業致します。
毎夏の展示「七夕の夜」10回目となる今回は、
新潮社 編集者である寺島哲也さんに言葉を寄せていただきました。
"安西水丸 「七夕の夜」" 第10回に寄せて
新潮社 寺島哲也(編集者)
誰の人生にも、忘れられない光景がある。
僕にとって、安西水丸さんと表参道の山陽堂書店を訪ねた2011
この年の春、創業120年を機に山陽堂書店は店を改装し、2階と
というのも、
ちょうどその時期、僕は『村上春樹 雑文集』というエッセイ集で、安西水丸さん・和田誠さんの「
僕は長女の秀子さんに、「
水丸さんは「よく時刻表を買いに行くんですよ。
その言葉通り、しばらく経った冬のある日、
使い込まれた机や荷がほどかれていない雑誌や文具が置かれた書店
しかし、少年の頃、自宅のあった赤坂見附と渋谷の間を、都電(
楽しい語らいは二時間近く続いただろうか。
「いいんですか、本当に!」
2011年7月の第一回展に始まり、その後、
春と夏の企画展やSIS(
そんな思い出の詰まった"安西水丸 「七夕の夜」"が10回目を迎える。
水丸さんが亡くなって六年、SISを引き継いだ長友啓典さんは三
安西水丸さんにしか描けない温かみのある線、
七夕の夜、耳を澄ますと水丸少年が乗った都電が、
ぱ た ぱ た と 人 情 お く る 団 扇 か な 水 夢
僕の大好きな安西水丸さんの句である。
今年もまた、その思い出とともに、夏が来る。
寄せていただいた言葉の冒頭にあります通り、寺島さんとは約25
寺島さんの次男がキャプテンで10番(の坊主刈り)、僕が8番(
(僕もかなり髪は短かったですが、
寺島さんに金沢文庫のグランドまで連れて行ってもらったときのこ
京急線に揺られながら「15分座って眠ると頭が冴えるんだよ」
「てらのお父さん」から「寺島さん」になりましたが、
ちなみに、次男の彼は高校生3年時にキャプテンとしてチームを率
下馬評を覆して東京都予選を勝ち抜いて全国高校サッカー選手権大
"持っている"彼は開幕戦を引き当て、
母校サッカー部では伝説のキャプテンとして名を残しています。
今回は来週からの展示のご紹介でした。
今日の追伸は、山陽堂書店 遠山がお届けします。
今週も最後までメールマガジンお読みくださりありがとうございま
それではまた来週のメールマガジンで。
山陽堂書店
萬納 嶺
追伸
ギャラリーに改装するする前、今から10数年前のこと、
安西水丸さんが来店された。
レジで応対していた母は何を思ったか
「安西水丸さんでいらっしゃいますよね」と話しかけた。
私はその様子を
「ああ~おかあさん、またあんな風に話しかけちゃってえ」
水丸さんがどう思われたかはわからないが、
「おかあさん、話しかけられたくないお客様もいるんだから」
あとで母に声をかけた理由を聞いたところ、
「こういう人とお話してみたい」と思ったからだという。
なぜ街の小さな一書店が、
疑問に思っている方もおられることと思う。
その理由は新潮社の編集者寺島哲也さんが寄せてくださった「
つながりの不思議を感じる。
後日談、それから4、5年経ったある日私は水丸さんに
あの時の母の行動をどう思われたかと質問した。
水丸さんはよく覚えていたようで、
私が「話しかけられたらいやな人もいるじゃないですか」と言うと
水丸さんは「いやですよ、でもうれしかったですよ」
「私はまだ水丸さんとちゃんと話をしていない」
水丸さんとは一言二言しか交わすことのできなかった母だが、
水丸さんの横で満面の笑みで写っている母の写真が残っている。
(山陽堂書店 遠山)