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2020年4月15日
山陽堂書店メールマガジン【2020年4月16日配信】

山陽堂書店メールマガジン

【2020年4月16日配信】

みなさま

 お元気でいらっしゃいますか。

山陽堂書店では、次世代(5世代目)の萬納(まんのう)が

3階で不定期に喫茶営業をしており、

ご希望のお客様に萬納より営業の案内などを配信させていただいております。

この度、こちらのメールをみなさまにも送らせていただきます。

萬納からの案内とだぶってしまう方もおられるかもしれませんので、

なにか不都合がございましたらお手数ですがお知らせいただきますようお願いいたします。

 

萬納は、女系家族に60年ぶりに誕生した男でして、

おばさんたちが彼の周りを囲むという現状となっておりますが、

私共も、決して好んで囲んでいるわけではございません。

 

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 山陽堂書店 


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みなさん

 

お元気でいらっしゃいますでしょうか。

みなさんそれぞれに不安があると思うのですが、それは僕もそうで。

日常的に会話を交わす相手が山陽堂書店員だけになり、

つまり50代半ば以降の女性(母・おば1・おば2・大叔母)とだけ言葉を交わす毎日に、

「このまま(自分は)おばさんになってしまうのではないか」

そんな不安を抱えています。

今度お会いしたときに僕の様子が変わっていないと良いのですが。

 

さて、喫茶営業はしばらくありませんが、

お知らせはこうして送らせていただこうと思います。

本の紹介を主と致しますが、

これまで同様とりとめのない日常のことだったり、

思いだした昔のことだったりも合わせて。

 

今日は「もっと遠くまで走ろう」と心に決めることになった本を紹介します。

それは世界的に知られる作家がオリンピック期間中に現地に滞在しながら書いた観戦記(といってよいものか?)で、

オリンピック嫌いを自称する著者は独特のユーモアを交えながら、

競技だけでなく現地の歴史からコアラの憂鬱までを書いています。

その本のはじめにある「1996 728日 アトランタ」と題された章には、

女子マラソンの折り返し地点からのレースのことが、

銅メダルを獲得した有森裕子選手の視点で書かれています。

文庫本でわずか17ページ。

しかし、そこには確かに21kmという距離と、走る有森選手の姿があり、

彼女が目にしている景色を追っている自分がいました。

語られるレース中の心の機微(彼女の声)に耳を傾けながら、

ゴールまで届いてくれと祈るように文字を追いました。

レースの結果はもうずいぶんと前に出ているというのに。

本書「シドニー!」にはこの章をはじめ、大会期間中の観戦日誌はもちろん、

大会数ヶ月後に日本人選手へインタビューしたものもあり、読み応えがあります。

(結構笑っちゃいます)

僕は「アトランタ」の章を読んで「同じ距離を走ってみよう」と心に決めたのですが、参加を考えていた春先のフルマラソンは軒並みなくなり、

走るその日までは自主トレーニングに励むこととなりました。

(それまでに決心が揺るがないためにもここに書いておきました。

42.195kmって、考えただけで憂鬱でもあるのですが。

 

今回紹介した本はこちら。

「シドニー!」①② 村上春樹・文春文庫 各510+

単行本が文庫化にあたり①②巻になっています。

山陽堂ブック倶楽部の課題本予定でもあります。

 

合わせておすすめするのはこちら

「走ることについて語るときに僕の語ること」村上春樹・文春文庫

「走る小説家」村上春樹さん自身が語る「走ること」について、など。

 

 

〈今週のおすすめ本〉

山陽堂ブック倶楽部にご協力いただいているコラムニスト 上原隆さんと、

ブックデザイナー 藤田知子さんにもおすすめしていただいています。

 

◇『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ(早川書房)1,900+

アメリカの湿地にすむ家族。父の暴力に耐えられず母が出ていき、

兄弟も出ていき、父も帰らなくなり、6歳のカイアはひとりぼっちになる。

彼女の友だちは湿地の木や魚や鳥だけだ。

やがて彼女は湿地観察者として著書を出すまでになるのだが、湿地で死体が発見され、

カイアはその容疑者として逮捕される......

2019年アメリカで一番売れた本。多くの人がカイアの孤独に涙した。

 

 

『鴻上尚史のほがらか人生相談 〜息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』 鴻上尚史(朝日新聞出版)1,300+

AERA dot.で連載中の人生相談をまとめたもの。

「ほがらか」と言いつつ、かなり深刻で切実な内容の相談が少なくない。

これに一体どう答えるんだろう...という難しい質問に、鴻上さんの答えがすばらしく冴えわたっている。

相談者だけでなく、読者の心も癒やされる一冊。
https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21337

(推薦者:藤田知子)

 

「生きていてもいいかしら日記」北大路公子(PHP文庫)552+

日常のぐうたらをこんなにおもしろく書けるということがつまり、

ぐうたら生きることを許された証なのでしょうか。

昼酒と泥酔に罪悪感を覚えたことのあるみなさまへ。

 

《郵送販売始めました》

詳しくはこちらをご覧ください。


それではまた次回の配信で。


※メールマガジン配信をご希望される方は件名に「配信希望」と明記のうえ、

sanyodo1891@gmail.com(担当 マンノウ)までご連絡ください。



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