『小さなことばの原画展。』
5日目の夜、ギャラリーを閉めようと思って2階に上がったら、
20代のカップルが二人椅子に座って、
「夜は、まっている。」の動画をみつめています、じっと。
言えません、「もう閉めますから」なんて。
あのあとふたりは、どんな話をしたのかな・・・。
「小さいことばの原画展。」の旅、
きのうからしずかに始まりました。
朝の8時過ぎにほぼ日さんのメンバー到着、
着々と11時開始に向けて作業がすすみました。
お陽さまのよくあたる2Fのギャラリーは、
酒井駒子さんのいのちを慈しむような絵と、
松本大洋さんの声が聞こえてきそうな絵、
そして、谷川俊太郎さんのおどり出てきそうな「かことば」に
着替えさせてもらいました。
「よくにあっているね。」
って思ってもらえたらギャラリー冥利につきます。
2日目の朝、
パソコンのリピート再生に手間取っていたら、
展示を観に来てくれた方二人、
一緒になってあれやこれやと案じてくれました。
そこに、ほぼ日さんのデザイナーさんが来てくださって、
リピート再生復活。
皆初対面なのにいっしょになって
「よかった、よかった。」と喜びました。
今日は一日雨だったのに、
よい感じで人が絶えませんでした。
夕方、糸井さんがほぼ日の木下さんと観に来てくれました。
ちょうど居合わせた男性が
「糸井さんももちろん昔っからファンなんですが、
永田さんの大ファンなんです。」
と言おうと思ったのだそうですが、
言えなかったとツイートしていました。
(永田さんは糸井さんのこれらの本を編集された方です。)
お越しくださった皆さまありがとうございました。
会期中なんどでも観に来てください。
ひとりの女性が一冊の新書を手にレジへ。
「わたし、初めてここのお店に入ったんです。
敷居が高くって・・・。」
(確かに店内に入るときの段差はあるものの、)
「へーっ!ぜんぜん、このとおり、中にいるのは、
わたしたちみたいな、こんなんばかりですから・・・。
もうもうお気軽にどうぞどうぞ・・・・。」
山陽堂はまったく「敷居が高い」の真逆にいることを
どうにかわかってほしくて、いかに敷居が低いかをアピールしたつもりなのですが・・・。
「本」を身近に感じてほしいのに、
敷居の高さを感じさせてしまっているものってなんなのだろう。
「敷居は低くて中身もいいねえ。」
なんて思ってもらえるようになりたいです!
きのうのお客様の言葉を心にとめて、道行く人が気軽に入れる本屋&ギャラリーを目指します。
なんだろう、この包みこまれたようなかんじ。
マイクも何も通さない歌声。
『名も知らぬ花のように』
yae さんの身体を通り抜けて行くような歌声と、
2011年3月11日に生まれたこどもたちの笑顔にギャラリー全体が包み込まれた。
この場所、この土地、この建物、これまでここで過ごしてきた今は亡き人たち、
みんなも一緒にしずかに喜んでいるみたいだった。
展示を観てくれたひとが
「この子達の後ろにたくさんの人が見えますね」
と言っていた。
この写真を撮った写真家の小林紀晴さんは本の中で正にこの通りのこと書いている。
「小さな命を撮ることは、同時に背後にある多くの失われた命を撮ることだった。
そのことを銘じながらカメラを構えた。
彼らが輝いて見えるのは、その命によるからだと思う。」と。
今日は、『ハッピーバースデイ3.11』に深く関わった
著者の並河進さん、
写真家の小林紀晴さん
赤ちゃんと並河さんたちを繋げたコーディネーターの一色光代さん、
そして、日本ユニセフ協会のメッセージムービー
『ハッピーバースデイ3.11』のテーマソングを歌うyaeさん、
こちらの4人が語ってくれた。
そして、それを見守るかのように
「一冊の本」という形にして私たちに贈り届けてくれた飛鳥新社の編集者五十嵐さんが
客席で耳を傾けていた。
きょうは、とてもいい一日でした。
みなさまありがとうございました。
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