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2011年11月30日
最近おばあちゃん達が来ない。

しばらく、あのおばあちゃんの姿を見ない。

「ひとにお茶を入れてもらったことがないんだから」

店で娘を紹介したら息子さんしかいないからか

「いいわねえ、うらやましくてよだれが出ちゃうわ」

と言っていた。

いつもきれいにしていた。

かわいくて色の白いおばあちゃん。

自分で作った使いやすそうな黒いショルダーバックを下げていた。

紀ノ国屋や関山でお弁当を買った帰りに

ときどきお店によってくれた。

舅姑につかえ、だんなさまも見送った。

息子さんたちが一緒に暮らそうと呼んでいるようだったが一人暮らしをしていた。

 

配達途中、道で会うとしばらく立ち話をした。

機銃掃射に襲われたこと。

戦後、せっかく大陸から引き上げてきたある家族が親戚に受け容れてもらえず

一家心中をしてしまい、その後その親戚も心中してしまった。

その場所を通って仕事場に通わねばならなくてつらかったこと。

元海軍のお兄さんが日本軍の潜水艦をアメリカまで運んだこと。

シベリアに抑留されていた夫が夜中にうなされて泣いていたこと。

日本に帰りたくて泣いている夢をみていたのだという。

だんな様は、シベリア時代の話をまったくしなかったそうだ。

 

今ごろ、誰かにお茶をいれてもらっているといいな。

 

 

 

2011年11月17日
きのうは、落ち葉がすごかった。

やってきました落ち葉の季節。

きのうは風が強かったせいもあり、

交差点の交番あたりから店の隣のリンツチョコレートさんまで、

ところどころに落ち葉の大きなかたまりが5・6こあった。

まるで、誰かが落ち葉をはいてまとめたかのように。

 

「さあ、これだったらお掃除しやすいでしょ!」

落ち葉自らまとまってくれていたので助かった。

はじめはほうきとちりとりでビニール袋に詰めていたけれど

あっという間にパンパンになってしまった。

ビニール袋だと詰めにくかったので、

地下室から大きなダンボールを持ってきて

がさっと手で落ち葉をかかえて詰めていった。

 

掃除をしているあいだも交差点近くの落ち葉は

くるくるくるっと渦を巻いて舞い上がっていた。

交差点周辺、特に交番から店の辺りは

この季節いつも落ち葉の吹き溜まり。

 

枯葉が舞い上がるのを見ていたら、

伯母が言っていた山の手空襲のときの炎が巻き起こす風の話を思い出した。

人や軍馬が風で舞い上がっていくのを店の中から見た人もいる。

 

表参道のけやき並木は、何本か焼け残ったというがほとんど焼けてしまった。

昭和26年くらいに店の2階の窓から写したと思われる表参道の写真が残っている。

そのころのけやきの太さは、

ちょうど今の青山通りに植えられたけやきと同じくらい。

 

何十年後か、ここの周辺の人たちは、

表参道と青山通り両方のけやきの落ち葉そうじで大変だろうな・・・。

そのころは、だれがそうじをしてるかな・・・。

 

 

 

2011年11月10日
『石津謙介生誕100年』展、ただいま撤収終了!

 たった今撤収がすべて終わった。

がらんどうになったギャラリーは、

謙介さんの展示が始まる前よりもきれいになっていた。

「立つ鳥後を濁さず」

正に、その言葉通りでとてもすがすがしい気持ちがする。

 

展示準備から今日まで、

この企画に関わる中で、新たなよき出合いに恵まれたことにも感謝。

 

石津謙介さんのご長男祥介さんお孫さんの塁さんと、

このような形でお世話になり関わることができるとは!

 

今回の展示企画をしてくださった生方さん、

ギャラリー展示撤収を黙々とやって下さった今田さん。

準備撤収撮影のお手伝いをしてくださった浅井慎平さんのお弟子さん。

『VAN TOWN 青山』といわれていた頃の話を店先で話してくれた人。

謙介さんの90歳を超える妹さんにもお目にかかり、岡山の話をさせてもらった。

 

最終日のトークイベントは、階段まで人でいっぱい。

クーラーをつけるくらいの熱気。

祥介氏は、人とのつながりの大切さを語っていた。

『青山文化』という言葉で表現されるような青山の街を育てよう、

街は人がつくるものだから力をかしてくださいと言っていた。

 

トークを聞いていて、祥介氏の柔らかな感性に気づかされた。

この柔軟性がファッションに限らずさまざまなことが変化する力の元なのかと思った。

 

「僕が考えるライフスタイルとは時代とともに移り変わるものだと思う。そこでは伝統といえども変化していることを見逃してはならない」と謙介氏も言っている。

中心を通る軸をもちつつ変化し続ける山陽堂でありたいし

それが結果『青山文化』を育んでいくことであったらいい。

 

「人のつながりを大切に」

この企画展を通して祥介氏が本当にこのことを大切になさっているということがわかった。

『類(塁?)は友をよぶ』

 

どうもありがとうございました。

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